唾液には、大切な役割があることを御存知でしょうか。
たかが「ツバ」と侮るなかれ、色々な作用があります。
次に挙げる6項目のうち、上から3つは虫歯予防に関連する作用です。

・清浄作用(食べかすを洗い流す)
・緩衝作用(重炭酸系の働きで口腔内のpHを一定に保つ)
・抗菌作用(リゾチームやペルオキシダーゼ、分泌型IgAが担う)
・潤滑作用(ムチンが担い、咀嚼や会話、嚥下を助ける)
・溶解作用(唾液が味物質を溶かし、味覚に関与する)
・消化作用(アミラーゼがでんぷんを分解する)


唾液が少なくなるとどうなるか?


口腔乾燥症」という、困った事態が生じます。
(※唾液が少なくなる原因は、老化やストレス、薬剤、自己免疫など)
風邪を引きやすくなったり虫歯が増えたり、口の中に痛みが走ったりします。
唾液の量が減ると、口腔内に侵入してきた細菌が容易に繁殖してしまうからです。
日本人の潜在患者数は約800万人といわれ、予備軍を含めると4人に1人はかかっていると言われています。


唾液の量を増すには?


まず「よく噛むこと」が一番です。
噛まずに飲み込むような食べ方は良くありません。
咀嚼回数を増やすことで、唾液量の増加につながります。
意識してよく噛むのはもちろんですが、例えば食事の調理法を変えて、水分を少なくしたり食材を噛み応えのある大きさにすることで、結果的に咀嚼回数が増えて唾液分泌の増加が期待されるでしょう。

この他、厚生労働省の科学班によって効果が確認されているという唾液量アップの方法があります。それが、「健口体操」です。
口腔内には唾液の分泌口が3箇所(舌下腺・顎下腺・耳下腺)あり、そこを刺激することによって唾液量のアップが図れるというわけです。


舌下腺

パタカラ体操
パ・タ・カ・ラと発音を繰り返す。


顎下腺

口顎(くちあご)体操
唇を閉じて、頬をふくらませたり吸い込んだりする。
次に唇を閉じたまま突き出し、上下左右に動かしたり、引き締めたりする。


耳下腺

耳下腺マッサージ
耳の後ろやや下方を、円を描くようにマッサージ。

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